ALTAROSⓇはチェコのエアライフルパーツメーカーで、特にレギュレーターの製造においては PCP 市場に先駆けて投入し、現在まで定評を得ています。

そんなALTAROSⓇが現在のエアスラッグ市場に投入したのが今回紹介するATPシリーズです。

このATPは現在主流のホローポイントスラッグとは大きく外観が異なります。

どれもノーズはラウンド型で、後端はボートテール形状となっています。

この形状により一般的なホローポイントスラッグに比べてATPは高いBC(弾道係数)を持ち、ロングレンジにおいてより高い精度を実現しています。

2024年現在、米国のロングレンジ射撃競技で、圧倒的な成績を残しているのがこのA T Pスラッグです。

ATPは、ALTAROSⓇが世界に先駆けて開発した精密CNCマシンによる独自の鉛旋削技術により製造されています。この技術により製造されたスラッグは、非常に精密な寸法を持ち、軸対称性に優れ、重量差がほとんどありません。これは、現在使用されている他の方法では達成できません。ATPスラッグはBC値0.15という非常に高い弾道係数を達成しています。

一般的なエアスラッグは大量生産が可能な圧縮整形によるスエージング製法を用い一個あたり一秒程度で製造が可能ですが、1つずつCNC切削が必要なATPは1個あたり20~30秒ほどの製造時間が必要です。

決して安価な弾ではありませんが、その工程を考えると圧倒的なコストパフォーマンスと言えるでしょう。

さてこのA T Pにはいくつか種類があります。

まず5.5mm口径で基本となるATPスラッグ(31gr)は、ボディにスリットを入れることで抜弾抵抗が小さく、多くのエアライフルに対応しています。ポリゴナルバレル及びFXバレルには外径少し大きな5.52mmが対応します。

そしてこのATPに高B C値を持たせたのがATP Smooth(32.3gr)で、ボディのスリットがなく、よりロングレンジの精度に特化しています。

6.35mm口径にはATP Smooth(49.5gr)、QUEEN(60gr)を用意しています。

ATPスラッグのセッティングについて

さてこのATPスラッグはどれも重量弾であるため、専用のセッティングが必要になりますが、その特殊な形状のため、セッティングは一般的なホローポイントスラッグとは多少異なります。

まず弾速は800〜950fps程度と、少し低めの弾速を好みます。

またボートテール形状は空気の流れに敏感であるため、マズルブラストが出るような強いハンマースプリング設定では精度が悪化します。

何パターンか試した中では、最高弾速の95%程度のセッティングで一番安定したグルーピングを確認しております。

この2つのポイントさえ押さえていれば、ATPスラッグはホローポイントスラッグに比べても大らかで、高い加工精度も相まって、非常に使いやすいエアスラッグと言えます。

一例として、f-rangeで販売中のVULCAN3-700(5.5mm)の標準セッティング(ZAN25.5gr/950fps)のままATP Smooth(5.52mm)を撃っても、高い精度が出ております。

また6.35mmのFX IMPACT M3にてQUEEN60grをご使用いただいたお客様からは100~150mで非常に良いグルーピングのご報告も頂いております。

先述の2つのポイントさえ押さえれば 、ホローポイント弾と比べてもATPスラッグは非常に使いやすいエアスラッグと言えます。

A T Pスラッグは、現在F Xの最新機種、DYNAMIC 700でも確認中です。

今後の報告を楽しみにお待ちくださいませ♪

ALTAROSは、f-range((株)FRC)の登録商標(第6825038号)です。


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