皆さんこんにちは。

今年のf-rangeは、より一層エアライフルに力を入れております。

今まで人気だったチェコ製のAGN URAGANⓇ / VULCAN3 に軽量タクティカルスタイルの VIXEN を追加し、また AirMaks airguns (AMA) という同じくチェコのエアライフルメーカーからブルパップスタイルの KRAiT-X 、軽量フォールディングストックを備えた KATRAN-L の取扱を始めました。

さてそんな近年のエアライフル話題なのがエアスラッグ弾です。

f-rangeでは早くからスロベニアのZAN Projectileと契約をし、高精度のエアスラッグ弾を販売しています。

今回はそんなエアスラッグ弾とZANⓇスラッグについて説明したいと思います。

そもそもエアスラッグ弾って何?

今まで狩猟用エアライフル用の弾といえば、てるてる坊主型のディアボロペレット弾が主流でした。ディアボロとは鼓という意味で、胴にくびれを持った弾の総称です。

今まで各メーカーから販売されてきたエアライフルの多くが、これに合わせて精度、セッティングが取られており、そのほとんどはチェコのJSB社のペレットを基準としていました。

5.5mm : 18gr / 6.35mm : 25.4gr / 7.62mm : 44gr といったように、精度が出るディアボロ型の形状では重量もおおよそ決まっており、他のメーカーのペレットも近い重量のペレットが一般的です。

しかし最近のエアライフルは技術進歩により高出力化が可能となり、それに伴い、装薬ライフルの弾頭によく似た、エアスラッグ弾が登場し始めました。

エアスラッグ弾はスラッグと呼ぶものの、形状はバレット(Bullet)型で、先端に中空の穴が開き、後端はフラットもしくは少し凹んだ形状をしているのが一般的です。(それ以外の形状もあります)

これらはペレットのようにくびれを持たせる必要はなく、形状の自由度が高いため、胴長を変えることで精度に大きな影響を与えず様々な重さで作ることが可能になりました。

エアスラッグ弾のメリット/デメリット

このエアスラッグ弾がなぜ人気が出てきているのかというと、ひとつは100mを超える長距離における精度です。

装薬ライフル弾頭によく似たその形状は、同じように飛翔中の抵抗が低く、ペレットに比べると距離に対する残存エネルギーの減衰が1/2程に抑えられます。

これにより今までペレット弾が苦手としていた、100mを超えるようなロングレンジでも高い精度と残存エネルギーを得ることが可能になりました。

※エアスラッグの特性としてドロップが少ない、と思われている方もいらっしゃると思いますが、残念ながらこれは正確ではありません。ドロップそのものは弾速に依存するので、ペレットでも銃口弾速を上げれば、実用範囲でのドロップは小さくすることが可能です。

次に高いBC値(弾道係数:空気抵抗)による、風の影響の低さです。これはペレットに比べると圧倒的な違いがあり、飛翔距離が長いほど風の影響は増すため、ロングレンジでさらにその効果を発揮します。

ここまでは良いことだらけのように感じますが、エアスラッグ弾を使用するにはデメリットもあります。

ひとつはコスト
大手メーカーのペレットが金型鋳造で大量生産されるのに比べ、エアスラッグ弾のほとんどはスエージング製法と言われる、鉛粒を型に入れ、片側から圧縮整形する製造方法がとられます。このため大量生産に向いておらず、販売単価もペレットより高額になります。

もうひとつは専用のセッティングが必要なこと
現在、エアスラッグが撃てることを謳うエアライフルの多くは、何か特定の弾種を指定していることはほぼ無く(弊社VULCAN3-700を除く)、自身で銃と精度の相性を確認する必要があります。

これを含めて趣味だと感じることができない方には少々難しいものがあるでしょう。

また最近のエアライフルではレギュレーター圧やハンマースプリングテンションの外部調整が可能な機種があり、その場合は弾に合わせて銃を調整する、といったことも可能ですが、これには専門知識をもって臨まなければなかなか正解にはたどり着けません。

VULCAN3 5.5は、当店エアガンマイスター宮原悠の手により、ZANⓇスラッグ25.5grでベストなグルーピングが得られるように、1挺ずつフルチューニングされております。

ZANスラッグとは

さて先述の通りエアスラッグの流行により、世界中で新たな弾頭メーカーが誕生しました。

スロベニアのZAN Projectileもその一つで、同国の主要産業である自動車部品や医療機器の製造技術を元に、自らが競技射手であるZAN氏が立ち上げたメーカーです。

ZAN Projectileのエアスラッグで特徴的なのはなんといっても高い工作精度です。

独自の製造機械と技術で、非常に均一な精度を保つエアスラッグを生み出しています。

特に重量誤差はとても低く、実際に各社のエアスラッグを超精密天秤で計測したところ、他社に比べてZANスラッグは非常に安定した重量差を示しました。

また多くのエアスラッグがペレットのように缶に詰められているのに比べ、ZANスラッグでは1粒ずつ仕切られたケースに入っており、弾の変形を防いでいます。

弾の中央に中空ポイントを設け、ジャイロを利用して精度を出すエアスラッグは弾の変形にとても敏感ですので、これは大きなメリットになります。

さて話が長くなってきましたので、今回はここまでとして、

次回はZANスラッグを試してみたい、という方への簡単なガイドをご紹介したいと思います。

https://f-range.jp/product-category/airguns

ZANⓇは、f-range((株)FRC)の登録商標(第6710681号)です。


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